- HOME>
- 糖尿病について
糖尿病とは
糖尿病とは体内でインスリンの働きが十分でない、またはインスリンが足りないために血液中の糖の濃度が高くなる病気です。インスリンは膵臓で作られるホルモンで私たちの体内に取り込まれた糖を、エネルギーとして利用できるよう調節する重要な役割を担っています。
このホルモンの分泌に異常が生じると高血糖状態が続き、喉の渇き、多飲、多尿、体重減少などの症状が現れます。放置すれば、神経障害、腎症、網膜症、心血管疾患などの合併症を引き起こす可能性があります。
世界の糖尿病人口について
2019年11月14日(世界糖尿病デー)に、国際糖尿病連合(IDF)が発表した「IDF 糖尿病アトラス 第9版」によると、2019年時点で糖尿病にかかっている人は世界で4億6,300万人とされており、このままでは2045年までに7億人にも膨れ上がると予測されています。
また対象を成人に絞り込むと、20〜79歳の11人に1人(9.3%)、65歳以上では5人に1人(20%)が糖尿病と推定されています。
地域別の糖尿病有病者数
地域別に見ると、日本、中国、東南アジア、オーストラリアなどを含む西太平洋地域の糖尿病有病者数が最も多く(1億6,300万人)、最も少ないのがアフリカ諸国で1,900万人となっています。しかしアフリカ諸国は2019年からの約25年間で有病者が143%増加するとも試算されています。
2019年糖尿病が原因で亡くなった人は420万人とされており、糖尿病の予防・治療は世界的な課題となっています。
日本の糖尿病人口について
厚生労働省の令和元年国民健康・栄養調査報告 によれば、日本人男性の19.7%、女性の10.8%が「糖尿病が強く疑われる」とされています。年齢が高くなるにつれてその割合は増えていき、例えば50代男性になると17.8%、60代では25.3%が「糖尿病が強く疑われる」と判定されています。
近年の糖尿病による死亡率
平成30年(2018)人口動態統計月報年計 では、国内死亡者数のうち1万4,170人(全体の11.4%)が糖尿病を原因として亡くなっていることが報告されており、人口10万人あたりの糖尿病による死亡率ではワースト1位が青森で20.2人、2位徳島で17.9人となっており、都市部よりも地方部が多い傾向があります(奈良県はちょうど真ん中の24位で11.9人となっています)。
ただし糖尿病には命に関わる様々な合併症があるため、間接的に糖尿病が影響を与えているものを算入すれば、これらの数字はさらに大きくなると考えられます。
糖尿病の予防について
糖尿病の予防には、1次予防と2次予防の2つのアプローチがあります。
1次予防
1次予防とは糖尿病の発症そのものを予防することで、生活習慣の改善が中心となります。具体的には、適正体重の維持、バランスの良い食事、運動習慣の定着などが挙げられます。肥満や過剰な脂質・糖分の摂取、運動不足は糖尿病のリスクを高めるため、これらの改善が発症予防につながります。
2次予防
一方の2次予防は糖尿病の早期発見と適切な治療により、合併症の発症や進行を遅らせることが主な目的です。定期的な健康診断での血糖値チェックが重要で初期段階で発見されれば、生活習慣の改善や内服薬による治療などで血糖値のコントロールが可能になるほか、合併症が進行する前に適切な治療を開始できるため重篤化を防ぐことが可能です。
糖尿病にならない・重症化させないことが大切
初期の糖尿病には自覚症状がほとんどないため、気づかない間に重症化していたというケースも少なくありません。しかし糖尿病は一度重症化すると改善するのが難しい病気です。そのため定期的な健康診断や日々の生活習慣に注意を払い、糖尿病にならない・重症化させないことが大切です。