- HOME>
- 更年期障害
更年期障害とは
更年期障害とは、平均閉経年齢である50歳ごろの前後5年にあたる更年期(45歳~55歳頃)に起こる様々な身体的・精神的症状の総称です。この時期は卵巣機能が徐々に低下し、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減少します。これらのホルモンバランスの変化に体が適応できないことで、様々な症状が現れます。
更年期は以下の3つの段階に分けられます。
- プレ更年期:月経周期が不規則になり始める時期で、30代後半〜40歳代半ばに始まる
- 更年期:卵巣機能が徐々に低下しエストロゲンの分泌量が減少する時期で、45歳~55歳頃に始まる人が多い
- ポスト更年期:卵巣機能が停止しエストロゲンの分泌量が著しく低下する時期で、55歳以降に迎えることが多い
更年期障害は主に更年期に起こりますが、プレ更年期前期やポスト更年期にも症状が現れることがあります。
更年期障害の原因
更年期障害は女性ホルモンであるエストロゲン分泌量が減少することで起こります。エストロゲンは自律神経系のバランスを調整したり、他のホルモン分泌にも影響を与えているため、低下により様々な症状が起こります。ストレスや環境の変化も、症状の悪化を引き起こすことがあります。
更年期障害の主な症状
更年期障害の症状は個人差が大きく多種多様なものがありますが、大きく身体的症状と精神的症状に分けることができます。
身体的症状
血管や運動神経に関わる症状
- ホットフラッシュ(のぼせ)
- 発汗
- 動悸
- 頭痛
- 肩こり
- めまい
泌尿器や生殖器に関わる症状
- 膣の乾燥
- 性交痛
- 尿失禁
- 頻尿
- 性欲低下
- 月経不順
皮膚や粘膜に関わる症状
- 肌の乾燥
- かゆみ
- 口腔内の異常感
- 味覚の変化
- 歯肉の異常
筋肉や骨に関わる症状
- 関節痛
- 筋肉痛
- 腰痛
- 手足のしびれ
- ヘパーデン結節
その他の身体症状
- 体重増加
- 乳房の張り・痛み
- 頭髪の脱毛
- 爪の変化
- 耳鳴り
精神神経症状
- イライラ
- 気分の落ち込み
- 不安
- 集中力低下
- 不眠
- 疲労感
- 記憶力低下
- パニック発作
更年期障害の治療
漢方
当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸などの漢方は、更年期障害の治療によく使用されます。体質や体格、症状に合わせて、漢方を選びますが、複数の症状がある更年期障害の方にまずお勧めの治療法です。
ホルモン補充療法(HRT)
更年期障害の中でも、ホットフラッシュや動悸がある方、また症状が重く早期の改善を希望する場合は、ホルモン補充療法が適しています。内服薬だけでなくパッチやジェルなどの外用薬もあり続けやすい投薬法を選ぶことができます。
サプリメント
更年期障害による症状緩和が期待されるサプリメントもあります。大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲンに類似した作用があるといわれています。
当院ではエクオールを採用しています。
*サプリメントは薬ではないため、治療効果を保証するものではありません。
生活習慣やストレスの改善
バランスの取れた食事や、適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理を心掛けることで、更年期障害の症状を改善することができます。また将来の健康維持にも有効です。