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月経不順とは
正常な月経に当てはまらないものが月経不順になります。正常な月経とは、以下の条件を満たすものを指します。
○周期 25~38日
○月経持続期間 3~7日
○月経量 20ml(大さじ2杯分)~140ml(多い日用ナプキンが1〜2時間程度で溢れてしまう)
月経不順があっても、様子を見ていいのか、治療が必要なのかは、年齢や背景により様々ですので一度ご相談ください。
月経不順の症状
月経不順では、月経周期、月経持続期間、月経量について異常が現れます。具体的には以下のような症状が見られます。
月経周期の異常
短すぎると頻発月経、長すぎると稀発月経と呼ばれます。また3ヶ月以上月経がない状態は無月経になります。無月経には、大きく原発性無月経と続発性無月経があります。
原発性無月経
満18歳になっても月経が一度もない状態です。頻度は0.5%と言われ、実際には95%の人は15歳までに初経を迎えています。15歳から18歳未満で初経がなければ、「初経遅延」として精査や治療を考慮することができます。染色体異常や先天性の子宮形態異常が原因となっていることもあります。
当院は産婦人科専門医と内分泌専門医が連携して診療を行うことができますので、「なかなか生理が来ない」とお悩みの方はぜひご相談ください。また婦人科診察については、患者様やご家族と相談してから決定いたしますのでご安心ください。
続発性無月経
一度生理が来たけれども止まってしまった、3ヶ月以上月経がない、という状態が続発性無月経です。環境変化やストレス、過度なダイエットが原因で起こることもありますが、様々な病気が隠れていることもあります。
そのまま放置すると、将来的な骨粗鬆症や不妊のリスクが高まることもあります。原因を特定し、適切な治療を行うことが大切です。
月経持続期間の異常
短すぎると過短月経、長すぎると過長月経と呼ばれます。月経持続期間の異常がある場合、月経量の異常である過多月経や過少月経を伴うことも多いです。
月経量の異常
少なすぎると過少月経、多すぎると過多月経と呼ばれます。ホルモンの異常や、子宮内膜ポリープ・子宮筋腫・子宮腺筋症などの器質的疾患が原因となることもあります。過多月経がある場合は、貧血を引き起こすことがあります。
月経不順の原因
子宮良性腫瘍
子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどの子宮良性腫瘍は、過長月経や過多月経の原因となることがあります。
ホルモンバランスの乱れ
エストロゲンとプロゲステロンのバランスが乱れると、生理不順を引き起こします。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
卵巣に多数の小さな嚢胞ができる病気で、排卵障害や生理不順を引き起こします。また難治性ニキビの原因になることもあります。
体重の急激な変化
急激な体重の増減はホルモンバランスに影響を与えて、生理不順の原因となります。
ストレス
精神的ストレスはホルモン分泌に影響を与えて、生理不順を引き起こすことがあります。
甲状腺機能障害
甲状腺ホルモンの分泌異常は月経周期に影響を与える可能性があります。
初経直後や更年期
ホルモンバランスが安定しない時期は生理不順になりやすいです。
月経痛(生理痛)について
月経痛はあるのが当たり前、我慢するもの、と思っていませんか?
月経痛の症状や強さは個人差があり、ほとんど痛みのない人もいれば、日常生活に支障をきたす人もいます。
月経直前になると、子宮内膜からプロスタグランジンというホルモンが分泌されます。子宮を収縮させ、子宮内の経血を排出させる役割がありますが、その収縮が痛みの原因になります。
またプロスタグランジンは子宮だけでなく、血管や胃腸にも作用することで、頭痛や腰痛・だるさ、吐き気、冷えなどの様々な症状を引き起こします。
月経痛の症状
生理期間中に以下のような症状が見られる場合は、月経痛の可能性があります。
- 下腹部に鈍痛や痙攣のような痛みを感じる
- 下腹部の痛みが腰部に移ることがある
- 頭痛、吐き気がする
- 下痢や便秘の症状がある
- 痛みや不快感により、全身的な疲労感を感じる
- イライラや憂うつな気分になる
- 痛みや吐き気により、食欲が減退することがある
- 微熱がある
- 痛みや疲労感により、体に力が入らない など
なおこれらの症状が重く、日常生活に支障をきたしている場合は月経困難症と呼ばれるようになります。
月経痛の原因
プロスタグランジンの過剰産生
プロスタグランジンは子宮収縮を促進するホルモンで、これが過剰に分泌されると強い痛みを引き起こします。
子宮内膜症
子宮内膜組織が子宮以外の部位で増殖する病気で、月経時に子宮外で出血を起こし、強い痛みの原因となります。また時間の経過とともに周囲の組織と癒着を起こすことで、症状を増悪させます。
子宮筋腫・子宮腺筋症
子宮の筋層に発生する良性の腫瘍で、月経痛を引き起こすことがあります。
ストレス
ストレスによりホルモンバランスが乱れ、生理痛が悪化することがあります。
月経不順・月経痛がある際に実施される検査
月経不順・月経痛がある患者様には必要に応じて以下のような検査を行い、体の状態と原因を調べていきます。
問診と身体診察
医師が患者様の症状や月経周期について詳しく質問し腹部や骨盤を触診することで、原因を探ります。
血液検査
ホルモンバランスや甲状腺機能、貧血の有無などを調べるために、血液を採取して検査します。
超音波(エコー)検査
腹部から(経腹)または膣から(経膣)、超音波を当てて子宮や卵巣の状態を観察します。痛みを伴わない検査です。
子宮内膜検査
子宮内膜の一部を採取し顕微鏡で詳しく調べます。子宮内膜症や子宮内膜増殖症の診断に役立ちます。
子宮鏡検査
細い管(子宮鏡)を子宮内に入れ内部を直接観察します。子宮内膜ポリープや子宮筋腫などの発見に有用です。
月経不順・月経痛にお困りの際は当院へ
月経不順や月経痛は多くの女性を悩ませる問題ですが、専門の医師による検査や診察、サポートにより苦しみを軽減したり、解消したりできる場合があります。
奈良市・奈良駅のならまち内科 あいりレディースクリニックでは、経験豊富な女性医師が丁寧に対応し患者様お一人おひとりに合わせた診療を行っています。月経不順や月経痛にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。