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骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは骨の密度が低下し脆くなる病気です。骨粗鬆症はお年寄り、特に更年期を過ぎた女性に多い疾患ですが、近年は男性にも更年期症状が出るケースが増えてきており、男性や若い人でもかかる場合もあります。特徴は以下の通りです。
- 骨の中身が減る
- 骨の中の支えが減る
- 骨折しやすくなる
- 自覚症状がない
診断は下記の3点を総合的に判断して行います。
骨密度の測定
専門の機械 を使って骨の中のカルシウムの量を測ります。若い人(20~44歳)の平均値と比べてどのくらい骨密度が低いかを調べ、平均値よりも2.5以上低い場合に骨粗鬆症と診断します。
骨折の有無
骨折があれば骨粗鬆症が疑われます。特に背骨、太もも、手首の骨折に注意します。軽いケガなのに骨折した場合は骨が弱くなっている可能性があります。
危険因子の確認
骨粗鬆症になりやすい条件があるかどうかを調べます。年齢、性別、家族歴、喫煙、飲酒、運動不足などの他、女性ホルモンの減少や特定の薬の使用も危険因子になります。
骨粗鬆症の種類
骨粗鬆症は大きく分けると原発性と続発性の2つに分類されます。
原発性骨粗鬆症
原発性骨粗鬆症は他の病気が原因ではなく、自然に発症する場合を指します。このタイプの骨粗鬆症には、閉経後骨粗鬆症(I型)と老人性骨粗鬆症(II型)があります。
閉経後骨粗鬆症は女性ホルモンの1種であるエストロゲンの減少が原因で、閉経後の女性に多く見られます。エストロゲンが減ると骨を壊す細胞の働きが強くなり、骨の中のカルシウムが減って骨が弱くなります。
老人性骨粗鬆症は加齢に伴う骨量の減少が原因で高齢者に多くみられます。骨を作る細胞の働きが弱くなり、骨の中のカルシウムが減ります。男女ともに発症しますが女性に多い傾向があります。
続発性骨粗鬆症
続発性骨粗鬆症は他の病気や薬の影響で骨粗鬆症が引き起こされる場合を指します。ステロイド薬の長期使用、甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、糖尿病などが原因になることがあります。
骨粗鬆症の原因
骨粗鬆症は様々な原因が絡み合って発症します。リスク要因として考えられているのは以下の7つです。
加齢
年齢とともに骨の新陳代謝のバランスが崩れ、骨の量が減少していきます。特に閉経後の女性はエストロゲンの減少により骨量の低下が加速します。
ホルモンの変化
女性ホルモン(エストロゲン)や男性ホルモン(テストステロン)は、骨の健康維持に重要な役割を果たしています。そのため、これらのホルモンの減少は骨量の低下を引き起こします。
栄養不足
カルシウムは骨の主要な構成成分であり、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける役割があります。したがってこれらの栄養が不足すると骨の健康に影響を与えます。
運動不足
骨の強度は適度な運動によって維持されるため、運動不足は骨量の減少につながります。
遺伝的要因
骨粗鬆症の家族歴がある人は発症リスクが高くなります。
喫煙とアルコールの過剰摂取
喫煙とアルコールの過剰摂取は骨の健康に悪影響を与えます。
特定の薬剤
ステロイド薬や甲状腺ホルモン薬など一部の薬剤は長期使用により骨量の減少を引き起こす可能性があります。
骨粗鬆症の主な症状
骨粗鬆症が進行すると以下のような症状が現れることがあります。中にはQOL(生活の質)を大幅に低下させるものもあるため、定期的な検査と適切な治療を受けることが大切です。
- 背中の痛み
- 身長の低下
- 猫背(脊柱後弯)
- 骨折
- 腰痛
骨粗鬆症の治療
骨粗鬆症の治療は大きく分けて薬物療法と非薬物療法の2つがあります。
薬物療法
薬物療法では患者様の状態に応じて次のような薬剤を使って骨密度の増加を促します。
- ビスホスホネート製剤
- SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)
- PTH(副甲状腺ホルモン)製剤
- デノスマブ
- カルシウムとビタミンD
非薬物療法
非薬物療法では骨を刺激し、骨密度を維持・増加させる適度な運動を行う運動療法、カルシウムやビタミンDを多く含む食品を摂取する食事療法の他、転倒による骨折を予防するために家の中の環境を整えたり、バランス運動を行ったりする場合もあります。喫煙や過度の飲酒を控え適度な日光浴を行うなど、生活習慣の改善も効果が期待できます。
骨粗鬆症の予防のために検査を
奈良市・奈良駅のならまち内科 あいりレディースクリニックでは一般的な骨密度検査をはじめとして、女性更年期障害、男性更年期障害から発症する骨粗鬆症も視野に入れた診断・治療を行っています。ご自分の骨の状態を知っておきたい、骨粗鬆症の合併症を予防したいという方はぜひ一度ご相談ください。