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月経前症候群(PMS)とは
月経前症候群(PMS)は、多くの女性が経験する月経前の身体的・精神的な症状群です。一般的に月経開始の3〜10日前から症状が現れ始め、月経が始まると徐々に解消していきます。PMSの症状は多岐にわたり、個人差が大きいのが特徴です。
PMSの診断基準としては、以下の4点が重要とされています。
- 症状が月経前5日間に現れ月経開始後4日以内に解消し、13日目までには再発しない
- 症状が繰り返し起こること(少なくとも2回以上の月経周期で確認)
- 日常生活に支障をきたすほどの症状であること
- 症状が薬やアルコールによるものではないこと
PMSは幅広い年齢で発症し、月経のある女性のうち70〜80%が月経前に何らかの症状を認めていると言われています。日常生活に支障をきたす場合は、治療対象となります。
月経前症候群(PMS)の原因
月経前症候群(PMS)の原因ははっきりとは判明していないのが現状ですが、主に以下のような要因が関与していると考えられています。
月経周期によるホルモン変化
PMSの主要な原因として、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンのバランス変化が挙げられます。月経周期の後半(黄体期)には、これらのホルモン分泌量が大きく変動します。エストロゲンは月経前に急激に減少しプロゲステロンは一旦増加した後に減少します。
セロトニンの変化
セロトニンは脳内の神経伝達物質の1つで、気分の安定に関与しています。PMSの患者様では、月経前にセロトニンの分泌量が低下することが報告されています。
ストレス
ストレスはPMSの症状を悪化させる要因の1つです。ストレスによってホルモンバランスが乱れたり、セロトニンの分泌が抑制されたりすることがあります。
月経前症候群(PMS)の主な症状
月経前症候群(PMS)の主な症状は、身体的なものと精神的なものに分けられます。いずれの症状は個人差が大きく、すべての症状が現れるわけではありません。また症状の程度も人によって異なります。そのため他者などと比較することなく、ご自身が辛いと感じた場合は信頼できる婦人科に相談するようにしましょう。
身体的な症状
- 乳房の張りや痛み
- 腹部の膨満感や痛み
- 頭痛や偏頭痛
- 体重増加やむくみ
- 便秘や下痢
- 肌荒れやにきび
- 疲労感や倦怠感
- 食欲の変化(増加または減少)
- 睡眠障害(不眠やだるさ)
- 背中の痛み
- 関節や筋肉の痛み
- めまいや立ちくらみ
精神的な症状
- イライラや怒りっぽさ
- 気分の落ち込みやうつ状態
- 不安感や緊張感
- 涙もろくなる
- 集中力の低下
- 無気力や意欲の減退/li>
- 感情の起伏が激しくなる
- 人付き合いが難しくなる
- ストレスへの耐性が下がる
- 自己嫌悪や罪悪感
- 孤独感や寂しさを感じやすくなる
- 心の安定が保ちにくくなる
月経前症候群(PMS)の治療
月経前症候群(PMS)の治療には症状の種類や程度に応じて、以下のような方法があります。
- 生活習慣の改善:バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理など
- 薬物療法:鎮痛剤、利尿剤、低用量ピル、抗うつ剤、漢方薬などを医師の指示に従って使用
- カウンセリングやアロマテラピーなど
PMSの治療は患者様お一人おひとりの状態に合わせて、医師と相談しながら進めていくことが大切です。症状が重い場合や日常生活に大きな支障がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
奈良市・奈良駅のならまち内科 あいりレディースクリニックでも、患者様の心身に寄り添ったPMS治療を行っております。月経が近づくたびに辛い思いをされている方は、ぜひお気軽にご相談ください。